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ITトレンド

なぜ日本企業の93%がDXで成果を出せないのか?確実な業務効率化5ステップ

2025/9/25
なぜ日本企業の93%がDXで成果を出せないのか?確実な業務効率化5ステップ

衝撃の現実:10社中9社はDXで失敗している

「うちの会社もDXを進めなくては…」そう思っている企業は多いでしょう。しかし、実際に成功している企業はどれくらいあるでしょうか?

答えは、わずか7%です。

アビームコンサルティングの調査によると、年間売上1,000億円以上の大企業でも、DXで成果を出せている企業は10社中1社にも満たないのが現実です。

つまり、93%の企業がDXで期待した効果を得られていないということになります。

なぜこんなに失敗率が高いのか?

多くの企業が陥る「失敗の3大要因」があります。

1. 目的がはっきりしていない

「とりあえずDXをやらなければ」という曖昧な理由で始めてしまう。何のために、どこまで改善したいのかが不明確。

2. 人手不足で進まない

IT人材が圧倒的に不足。責任者も不在で、誰がリードするのかもわからない状態。

3. 失敗を恐れる文化

「失敗したら責任を取らされる」という雰囲気で、誰も積極的に取り組もうとしない。

では、成功する7%の企業は何が違うのでしょうか?

成功企業だけが知っている5つのステップ

成功している企業には共通のやり方があります。それが以下の5つのステップです。


Step 1: まずは現状を数字で把握する

成功企業がやっていること

「なんとなく非効率」ではなく、具体的な数字で現状を把握しています。

具体的にやること

  • 時間を測る: 各作業に実際どれくらい時間がかかっているか計測
  • ミスを数える: どんなミスが何回起きているか記録
  • コストを計算: その作業にいくらお金がかかっているか算出
  • 現場に聞く: 実際に作業している人に困っていることを聞く

実際の例

ある会社では「承認業務」を調べてみると:

  • 1つの承認に平均30分
  • 月に200件の承認
  • つまり月100時間(人件費25万円相当)
  • さらに承認待ちで売上機会を月500万円逃していた

これで経営陣も「改善が必要だ」と納得しました。


Step 2: 効果の大きいところから手をつける

成功企業がやっていること

「簡単だから」ではなく「効果が大きいから」という理由で優先順位を決めています。

3つの判断基準

  1. 効果の大きさ: どれくらいコスト削減・時間短縮できるか
  2. 実現の簡単さ: どれくらい簡単に導入できるか
  3. 将来への影響: 将来の成長にどれくらい役立つか

優先順位の付け方

効果 × 重要度 \ 実現の簡単さ

簡単

難しい

大きい × 重要

今すぐやる

計画的に進める

大きい × 普通

早めにやる

様子を見る

小さい × 重要

余裕があればやる

やらない

実際の例

  • 今すぐやる: 契約書の電子化(効果大・簡単・重要)
  • 計画的に進める: 顧客データの統合(効果大・難しい・重要)
  • やらない: 社内チャットツール導入(効果小・難しい・普通)

Step 3: 将来も使える技術を選ぶ

成功企業がやっていること

「今だけ」ではなく「3年後も使える」技術を選んでいます。

選ぶときのポイント

  • 拡張しやすいか: 後から機能を追加できるか
  • 他のシステムと連携できるか: 既存システムと連携できるか
  • サポートは十分か: 困ったときに助けてもらえるか
  • コストは適正か: 導入・運用コストが予算内か

避けるべき選択

❌ 「安いから」という理由だけで選ぶ
❌ 「有名だから」という理由だけで選ぶ
❌ 「営業マンが良い人だから」という理由で選ぶ

良い選択の例

✅ 将来の業務拡大に対応できる
✅ 他部署でも使い回せる
✅ 操作が簡単で教育コストが低い


Step 4: 小さく始めて徐々に広げる

成功企業がやっていること

「一気に全社導入」ではなく、段階的に進めています。

3段階での進め方

第1段階(1-2ヶ月): お試し導入

  • 協力的な部署の10-20名で試す
  • 毎日フィードバックを聞く
  • 問題があればすぐ修正

第2段階(3-6ヶ月): 部署展開

  • 関連部署全体(50-100名)に拡大
  • 研修制度を整備
  • サポート体制を構築

第3段階(6-12ヶ月): 全社展開

  • 全社員に展開
  • 継続的な改善体制を確立

なぜ段階的にやるのか?

  • リスクが少ない: 失敗しても被害が小さい
  • 改善しながら進められる: 問題を見つけて修正できる
  • 現場の協力が得やすい: 無理やり押し付けない

Step 5: 効果を測って改善し続ける

成功企業がやっていること

「導入したら終わり」ではなく、継続的に改善しています。

測るべき3つの指標

1. 時短効果

  • 作業時間がどれくらい短くなったか
  • 処理件数がどれくらい増えたか

2. 品質向上

  • ミスがどれくらい減ったか
  • 顧客満足度がどれくらい上がったか

3. コスト削減

  • 人件費がどれくらい削減できたか
  • システム運用コストはいくらかかっているか

継続改善のサイクル

  1. 数字をチェック: 月1回効果を測定
  2. 問題を見つける: うまくいっていない部分を特定
  3. 改善案を考える: どうすれば良くなるか検討
  4. 実行する: 小さな改善から実施
  5. また測る: 改善効果を確認

まとめ:成功する7%に入るために

93%の企業が失敗する中で、成功企業になるための5つのポイントは:

  1. 現状を数字で把握する → 曖昧な判断をしない
  2. 効果の大きいところから始める → 優先順位を明確に
  3. 将来も使える技術を選ぶ → 長期的視点で判断
  4. 小さく始めて徐々に広げる → リスクを最小化
  5. 効果を測って改善し続ける → 継続的に価値向上

最初の一歩を踏み出そう

まずはStep 1の現状把握から始めてみませんか?

  • 主要な業務の作業時間を1週間計測してみる
  • 月に何回ミスが起きているか数えてみる
  • その作業にかかっているコストを計算してみる

これだけでも、多くの「気づき」があるはずです。


次回予告

この記事では5つのステップの概要をお伝えしました。次回以降、各ステップをより詳しく解説する予定です:

  • 【Step 1詳細版】現状把握の具体的な方法とツール
  • 【Step 2詳細版】優先順位決定の実践的フレームワーク
  • 【Step 3詳細版】技術選定で失敗しないチェックリスト

お困りのことがあれば

DX推進でお悩みの企業様には、現状診断から改善提案まで、ご相談をお受けしています。まずはお気軽にお声がけください。

西村 力也

西村 力也

代表取締役

2002年からWeb制作・システム開発に従事。React、Next.js、TypeScriptを中心としたモダンなフロントエンド開発の専門家。AI検索最適化(AIO)の先駆者として、ChatGPT、Perplexity等のAI検索エンジン対応を推進。三重県津市を拠点に、東海地方の企業様のデジタル変革を支援しています。

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