
「UI/UXって何ですか?」 「CMSの導入を検討しています」 「API連携が必要です」
ホームページリニューアルの打ち合わせで飛び交う専門用語の数々。頷きながらも内心「???」となっている広報担当者の皆さん、いらっしゃいませんか?
今日は、そんな「今さら聞けないウェブ制作用語」を、誰もが馴染みのある「料理」に例えて解説します。これを読めば、次回の打ち合わせで自信を持って会話できるかも!
UI/UX = お皿の盛り付けと味
UI(ユーザーインターフェース)は、料理で言えば「お皿の上の見た目」です。美しく盛り付けられた料理は食欲をそそりますよね。ボタンの配置、色使い、フォントの選び方など、見た目の美しさとわかりやすさがUIです。
UX(ユーザーエクスペリエンス)は「食事体験全体」のこと。料理の味はもちろん、お店の雰囲気、接客、食べやすさ、後味まで含めた総合評価です。サイトの使いやすさ、ページの読み込み速度、目的の情報への辿り着きやすさなど、ユーザーが感じる体験すべてを指します。
実務での使い方: 「UIは綺麗だけどUXが悪い」というのは、「見た目は美しいけど食べにくい料理」のようなもの。両方のバランスが大切です。
CMS = 冷蔵庫
CMS(コンテンツマネジメントシステム)は、まさに「冷蔵庫」です。
従来のホームページ更新は、料理人(エンジニア)にいちいち「キャベツを出してください」「牛乳を入れてください」とお願いしなければなりませんでした。でもCMSがあれば、広報担当者自身が冷蔵庫を開けて、必要な食材(コンテンツ)を自由に出し入れできるのです。
WordPressなどが代表的なCMSで、専門知識がなくても記事の追加や画像の差し替えができるようになります。
実務での使い方: 「CMS導入で更新作業が楽になります」=「自分で冷蔵庫から食材を取り出せるようになります」という意味です。
フロントエンド / バックエンド = ホール係 / 調理場
レストランに例えると分かりやすいです。
フロントエンドは、お客様が直接見る「ホール」の部分。美しい内装、メニュー表、接客サービスなど、ユーザーの目に触れる部分すべてです。HTML、CSS、JavaScriptなどで作られています。
バックエンドは、厨房の中。お客様からは見えませんが、料理を作ったり、在庫管理をしたり、重要な処理をしています。データベース、サーバー処理、会員情報の管理などを担当します。
実務での使い方: 「デザインはいいけどバックエンドが弱い」=「見た目は素敵だけど厨房の設備が古くて調理に時間がかかる」という状態です。
SEO = お店の看板と立地
SEO(検索エンジン最適化)は、Googleなどの検索結果で上位に表示されるための施策です。
これは「良い立地に、目立つ看板を出す」ことに似ています。どんなに美味しい料理を出すレストランでも、人通りの少ない路地裏にあって看板も出していなければ、お客様は来てくれません。
SEO対策をすることで、「渋谷駅前の大通りに面した、明るい看板のあるお店」のような状態になり、多くの人に見つけてもらいやすくなります。
実務での使い方: 「SEOに強いサイト」=「検索で見つけてもらいやすいサイト」という意味です。
API連携 = 出前・配達システム
API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、異なるシステム同士をつなぐ仕組みです。
これは「出前システム」で考えると分かりやすいです。あなたのレストラン(ウェブサイト)が、Uber Eatsや出前館(他のシステム)と連携することで、自分の店舗だけでなく、他のプラットフォームからも注文を受けられるようになります。
例えば、ホームページと顧客管理システム(CRM)をAPI連携すれば、お問い合わせフォームから入力された情報が自動的にCRMに登録されます。手作業でデータを転記する必要がなくなるのです。
実務での使い方: 「既存システムとAPI連携できます」=「今使っているシステムと自動的に情報をやり取りできます」という意味です。
キャッシュ = 作り置き料理
キャッシュは、一度表示したページの情報を一時的に保存しておく仕組みです。
これは「作り置き料理」そのもの。毎回ゼロから調理すると時間がかかるので、よく注文される定食は事前に作っておく。そうすれば、注文が入ったらすぐに提供できますよね。
ウェブサイトも同じで、一度読み込んだ画像やデータを保存しておくことで、次回アクセス時の表示が速くなります。
実務での使い方: 「キャッシュをクリアしてください」=「作り置きを捨てて、新しく作り直してください」という意味です。更新が反映されないときによく使われる言葉です。
サーバー = 厨房・倉庫
サーバーは、ウェブサイトのデータを保管し、訪問者からのリクエストに応じて情報を提供するコンピューターです。
これは「厨房と倉庫」に例えられます。お客様(訪問者)が「このページを見せて」と注文すると、サーバー(厨房)が保管しているデータ(食材)を使って、ページ(料理)を作って提供します。
高性能なサーバーは「広くて設備の整った厨房」のようなもの。多くのお客様が同時に来店しても、スムーズに対応できます。
実務での使い方: 「サーバーがダウンした」=「厨房が使えなくなった(サイトが見られなくなった)」という意味です。
セキュリティ = 食品衛生管理
ウェブセキュリティは、サイトを攻撃や不正アクセスから守る対策です。
これは「食品衛生管理」そのもの。どんなに美味しい料理でも、衛生管理ができていなければ食中毒のリスクがあります。レストランには保健所の検査があるように、ウェブサイトにもセキュリティ対策が必須です。
SSL証明書(URLが「https」で始まる)、ファイアウォール、定期的なアップデートなどが、基本的な衛生管理に相当します。
実務での使い方: 「セキュリティを強化しましょう」=「食中毒を出さないように、衛生管理を徹底しましょう」という意味です。
まとめ:料理で理解すれば怖くない
いかがでしたか?ウェブ制作用語も、身近な料理に例えるとぐっと理解しやすくなりますよね。
次回の打ち合わせで専門用語が飛び交っても、心の中で「ああ、冷蔵庫の話ね」「出前システムのことか」と変換すれば、会話についていけるはずです。
そして何より、この「料理例え」は社内説明にも便利です。経営層や他部署への説明時に「CMSというのは、冷蔵庫のようなもので...」と話せば、専門知識のない人でも理解してもらえます。
ウェブ制作は難しい専門分野ですが、本質は「訪問者に良い体験を提供すること」。美味しい料理でお客様を満足させることと、何ら変わりありません。
さあ、次回の制作会議では、自信を持ってその「料理トーク」を披露してみてください!

西村 力也
代表取締役
2002年からWeb制作・システム開発に従事。React、Next.js、TypeScriptを中心としたモダンなフロントエンド開発の専門家。AI検索最適化(AIO)の先駆者として、ChatGPT、Perplexity等のAI検索エンジン対応を推進。三重県津市を拠点に、東海地方の企業様のデジタル変革を支援しています。
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