
ダークパターンとは、ウェブサイトやアプリのデザイン要素で、ユーザーを意図しない行動に誘導するものです。例えば、あるページで「確認」ボタンと「キャンセル」ボタンが配置されているとします。しかし、「確認」ボタンが目立つ色で大きく表示され、「キャンセル」ボタンが小さく目立たない位置にあると、ユーザーは誤って「確認」ボタンを押してしまうかもしれません。これがダークパターンの一例です。
ダークパターンの種類
- 隠れたコスト
ショッピングカートに追加されるまで明らかにならない追加料金や手数料。 - 強制継続
無料試用期間の後に自動的に有料サブスクリプションに移行するが、そのキャンセルが極めて困難である場合。 - プリチェックボックス(最初からチェックされたチェックボックス)
利用規約やニュースレターの登録など、ユーザーが自分でチェックを外さなければならない、最初からチェックされたチェックボックス最初からチェックされたオプション。 - 偽の緊急性
在庫が限られている、または特別なオファーがすぐに終了するという虚偽の緊急メッセージ。 - ミスリーディングデザイン
ユーザーが意図した操作と異なる結果を招くようなボタンやリンクの配置。
ダークパターンの影響
ダークパターンは一時的には会社の利益を増加させるかもしれませんが、長期的には信頼の低下や顧客離れを招く可能性があります。ユーザーが一度不信感を抱くと、そのブランドやサービスに対する信頼が失われることが多いです。また、法的な問題に発展するリスクもあります。
消費者としてダークパターンを避けるためのポイント
ダークパターンに引っかからないためには、次のポイントを意識することが重要です。
- 利用規約や条件をよく読む
サービスや製品を利用する前に、利用規約や条件をしっかりと確認しましょう。特に、無料試用期間やサブスクリプションに関する情報を注意深く読むことが重要です。 - レビューをチェックする
他のユーザーのレビューや評価を確認することで、そのサービスや製品に隠れたコストやトラブルがないかを見極める手助けになります。 - プリチェックボックスに注意
登録フォームや購入ページでのプリチェックボックスに注意し、不必要なオプションやサブスクリプションを無効にしましょう。 - 緊急性のあるメッセージを冷静に判断する
「在庫が限られている」や「特別なオファーがすぐに終了する」といった緊急性を煽るメッセージには冷静に対応し、実際に必要なものであるかを判断しましょう。 - 直感に従う
デザインやナビゲーションが不自然であると感じた場合、それはダークパターンの可能性があります。疑問に思ったら、そのサイトやサービスを利用する前に再度調査を行うことが賢明です。
まとめ
ダークパターンは、ユーザーに不利益な行動を取らせるために設計されたデザイン要素です。これらのトリックを見抜き、避けるための知識と慎重さが必要です。利用規約をよく読む、レビューをチェックする、プリチェックボックスに注意する、緊急性のあるメッセージに冷静に対応するなどの対策を講じることで、ダークパターンの被害を避けることができます。 また、サービス提供側としても、意図せずダークパターンに分類されるような画面を用意してしまうことも考えられます。ダークパターンによる詐欺被害の増加にともない、これから大問題に発展する可能性がある今、意図しないところで信頼を失わないよう、注意が必要です。

西村 力也
代表取締役
2002年からWeb制作・システム開発に従事。React、Next.js、TypeScriptを中心としたモダンなフロントエンド開発の専門家。AI検索最適化(AIO)の先駆者として、ChatGPT、Perplexity等のAI検索エンジン対応を推進。三重県津市を拠点に、東海地方の企業様のデジタル変革を支援しています。
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